「KAATフレンドシッププログラム」 は、街の一部である劇場、街に飛び出す劇場、またあらゆる人々に「ひらかれた」劇場を目指し、外を歩く人々からも中を見渡せるKAATのアトリウムを会場として、演劇・音楽・ダンス・現代美術・トークイベントなど、様々な企画を開催していきます。より多くの皆さまに劇場に親しんでいただくこと、劇場を開かれた場にしていくことを目指したプロジェクトです。
障がいの有無を超えてダンスを共創する小田原のスクランブル・ダンスプロジェクトが横浜に初登場。 KAAT周辺を舞台にパワフルなパフォーマンスをお届けします。
劇場を飛び出して、横浜の街へ! KAAT周辺を散策しながら、街の片隅で起きるダンス×ミュージックのセッション “ LAND FES ”も合わせてお楽しみいただきます。ゲストアーティストたちも一緒に、障がいやジャンルを超えて共に刺激しあい、共に創造する瞬間をお見逃しなく。
【演出・出演】 松岡大 (山海塾)
【出演】
スクランブル・ダンスプロジェクトメンバー ■12月17日(土) ゲストダンサー: アラン・シナンジャ 、 飯森沙百合 、 篠崎芽美 ゲストミュージシャン: タケオ (新倉壮朗)& ワガン・ンジャエ・ローズ 、 四家卯大 ■12月18日(日) ゲストダンサー: Aokid 、 飯森沙百合 、 南雲麻衣 ゲストミュージシャン: マルコス・フェルナンデス 、 田中悠宇吾
プロフィール
photo by Maiko Miyagawa
松岡大
街を歩きながらダンサーとミュージシャンによるパフォーマンスを鑑賞する「LAND FES」を主宰し、パフォーミングアーツを通じて共生社会を目指す活動に取り組む。
2005年より舞踏カンパニー山海塾に舞踏手として参加。「金柑少年」「とばり」「卵熱」「ARC」などの主要作品に出演中。
2018年より「スクランブル・ダンスプロジェクト」の講師・演出を務める。
神奈川県共生共創事業映像作品「いま、生まれたばかり」の演出ならびに出演。
2021年、Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル 13「Tokyo Real Underground」キュレーターを務める。
【12月17日(土)・18日(日)出演】
スクランブル・ダンスプロジェクト メンバー
2016年より小田原市「文化創造活動担い手育成事業」として、舞踏家の故・大野慶人、山海塾舞踏手の松岡大を講師に、認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル共催の協力を経て「障がいのある人もない人も共に踊る」をコンセプトに始まる。ワークショップと発表会を積み重ねる中で、これまで障害の有無に関わらず300名以上が参加。一人ひとりが「自由な身体表現」「調和のある表現」「魅せる表現」を体得してきた。2021年3月に小田原市民会館大ホールにてワークインプログレス『ひかりのすあしへ向かって』を開催。同年12月には新作公演『無限に咲く』を開催、2022年1月には小田原三の丸ホール開館記念企画「コネクションズ」のイベント作品『SCORE』にダンス出演するなど、活動の幅を広げている。
飯森沙百合
東京を拠点とするコンテンポラリーダンスカンパニー〈Co.山田うん〉に所属。
三東瑠璃、平原慎太郎、白井晃、向井山朋子、安田登 等、多数演出家の作品に出演。
また、アーティストのバックアップダンサー、ライブステージング、ミュージックビデオ振付、絵本の朗読を務めるなど、多方面で活動する。オリンピック2020 開会式出演。
2018年に西山友貴とダンスユニット〈Atachitachi〉を結成。2019年に初の単独公演を行った他、『Sense island 暗闇の美術島』等アートイベントにも参加するなど、舞台だけに留まらない活動を展開している。
近年では呼吸法の資格を取得し、ボディワークの指導、普及活動も行っている。NPO丹田呼吸法普及会理事。
【12月17日(土)出演】
アラン・シナンジャ
ダンサー・振付師。神戸市新長田区在住。トーゴ出身。神戸ダンスボックス主催国内ダンス留学で学ぶため2017年、初めて日本に来日。卒業後も日本に残り神戸を拠点に、西アフリカの伝統舞踊とコンテンポラリーダンスを越境しながら独自の作品を制作している。2018に自身で立ち上げたダンスフェスティバル「AFRICAN CONTEMPORARY NIGHT」はのちのHappy African Festival(HAF)へと発展し、多くの観客を動員した。2019年に、振付家下村唯との共同制作を行い、同作品は、横浜ダンスコレクションにて振付賞を受賞。同年、山崎広太によるプロジェクト「Darkness Part 3 」に参加、ニューヨーク公演に出演した。現在もダンスボックスの様々な企画に参加し、アフリカンダンスクラスを教えるなど、新長田のコミュニティに深く根ざした活動を継続している。
篠崎芽美
高校在学中に専門的なダンス経験がないことに拘らず「珍しいキノコ舞踊団」の門戸を叩き参加。日大芸術学部の西洋舞踊コース卒業後、再び同カンパニーに参加し、国内外で発表された全作品に出演。 2017年退団しフリーに。二児の母となった現在はダンスを踊る傍ら、子供連れで受けられるピラティス教室やダンスワークショップを各地で行う。2016年より、芸術祭やフェスティバルと連携して子育て中のアーティストと観客を支援 する「ダンス保育園!!」の発足に参画。2018 年より 原宿 VACANT にて子どもと表現を テーマにしたワークショップとパフォーマンスのイベント「ヒョーゲンのメメメ」を主催。
タケオ(新倉壮朗)
1986年生まれ。ダウン症。11才の時、アフリカセネガルの太鼓「サバール」と出会い、アフリカ音楽にのめり込む。 2002年より「新倉壮朗の世界」と題して定期的にコンサートを開き、ピアノ、マリンバ、鍵盤ハーモニカ、バラフォン、サバール、ジェンベ、ドラムetc.で思いのたけを表現し、パワフルなステージを繰り広げている。 今までに、山下洋輔、大口純一郎、林栄一、菊地成孔、森重靖宗、谷川賢作、野村誠、片岡祐介、松永貴志、會田瑞樹、大友良英、巻上公一、梅津和時、ワガン・ンジャイ・ローズ、BBモフラン等のミュージシャンや音楽・太鼓仲間と共演。日本や海外(ロンドン・韓国・パリ・香港)各地で「タケオにしか出来ない、タケオだから出来る」コンサートを開催し、即興音楽の魅力と楽しさを発信している 。 2008年、念願のセネガルに行き、現地の人々の輪の中でたたき、踊り、歌い、交歓する。 2011年、セネガルでの様子を中心に、タケオと人々との音楽を介したコミュニケーションを描いたドキュメンタリー 映画「タケオ」が完成し、日本と世界で上映され、好評を博す。 セネガルの人間国宝でサバールの神様と敬拝された故ドゥドゥ・ンジャイ・ローズ氏は「すごいエネルギーを持ったアーティスト」と褒めた。
イギリスのアミキ・ダンス・カンパニー主催者ウォルフガング・シュタンゲ氏は「感じた心を音と身体で表現する能力はnatural giftであり、偉大なcreative artist」と絶賛する。
ジャズミュージシャンの山下洋輔氏は「唯一無二の表現者」と評す。
ワガン・ンジャイ・ローズ
1971年セネガルのダカールで生まれる。父はセネガルの人間国宝であり文化の担い手であるグリオのドゥドゥ・ンジャイ・ローズ。大家族の中で18番目に生まれたワガンは、厳格な父のオーケストラの一員としてサバールを徹底的に教え込まれる。
90年代後半、日本に移住しサバール、そしてセネガル文化の伝道師として各地でワークショップを開催。また、Rolling Stones、Stevie Wonder、James Brownをはじめ世界的なミュージシャンとの共演も多く、2000年1月には父のグループの一員として全米50ヶ所に及ぶツアーを行った。2002年システマレーベルから自身のアルバム“NDADJE”を発表。最近では日本のミュージシャン達との交流も深く、林英哲、加藤登紀子、渡辺貞夫、坂田明、綾戸智絵などのグループでも活動。ジャンルを超えた表現力でアフリカンミュージックの真髄を伝え続けている。
四家卯大
ロック、ポップス、ジャズ、即興音楽と多彩なジャンルで活躍する土俗的チェリスト。日本の音楽界を支えるトップ・ストリングスアレンジャーのひとり。 即興演奏も得意とし、数多くのオルタナティブなアーティストとも共演。オリジナル曲やクラシックに即興を取り入れた演奏スタイルも得意とする。
【12月18日(日) 出演】
photo by ShinichiroIshihara
Aokid
東京造形大学映画専攻卒業。ダンスにおけるインプロビゼーションを起点とし、言葉や音楽、ドローイング、イベントといった方法にもその手法を拡張し舞台や紙上、あるいは都市へとスケールを変形させながら活動を展開する。
『Aokid city』(2012~)、『どうぶつえん』(2016~)、『ストリートリバー&ビール』(2019~)などのプロジェクトを展開。
ソロダンス公演『地球自由!』(STスポット、2019)、個展『思いつきと軽い月』(芸宿、2019)など。たくみちゃん、篠田千明、Chim↑Pom、額田大志、JamesHarveyEstrada、小暮香帆といった様々な分野の作家との共同制作を重ね、WWFES(2017~)のメンバーとしても活動している。2016年『フリフリ(たくみちゃんと共作)』が横浜ダンスコレクションコンペティション1審査員賞を受賞。
photo by 田中洋二
南雲麻衣
平成元年生まれ。神奈川県逗子市出身。3歳半で失聴、7歳で人工内耳埋め込み手術を受ける。大学まで手話を知らずに音声言語のみで育ち、大学で日本手話に出会う。文化施設の運営とアートなどの企画の仕事の傍ら、アーティストとしても活動する。近年は、人工内耳による音声言語と手話の視覚言語を用いた、複数言語の「ゆらぎ」をテーマにし、当事者自身が持つ身体感覚を「媒体」に、各分野のアーティストと共に作品を生み出している。
マルコス・フェルナンデス
横浜生まれ。カリフォルニアで30年以上、パフォーマー、プロデューサー、キュレーターとして過ごす。米国、カナダ、メキシコ、ポルトガル、香港、日本の各地で、ソロのインプロバイザー、フォノグラファーとして公演し、またパーカッショニスト、サウンドアーティストとしてさまざまなアンサンブル、ダンサー、ビジュアルアーティスト達と共演。作品はAccretions、Bake/Staalplaat、Circumvention、Cobra Discos、Disk Union,、Enban、Less Than TV、Pax、Pfmentum、Phonography.org、Public Eyesore、Solitary B他から60点以上発表されている。現在のプロジェクトはメルト、タナボタ、国際オバケ連合、魚一、ザ・メタファーズ、東京フォノグラファーズ・ユニオン、Marcos and The Wild Machinationsほか、ソロのギター弾き語りも。
田中悠宇吾
シタール奏者。東京都出身。2008年よりヒマラヤのナーダヨギD.R.Parvatikal師とシタールの巨匠Pt.Arvind Parikh師の技術と精神性を受け継ぐシタール奏者Dr.Gopal Krishan Shah師に師事。師と共にリシケシ、ヴリンダーバンなど聖地を廻り北インド古典音楽を学ぶ。定期的に渡印し北インド古典音楽を追求しながらも、多数のエフェクターを使用したアプローチや、グリッチ、ピンクノイズ等の現代的音楽表現との実験的プロジェクト(Aprl : エイプリル)など、シタールの可能性を広げる活動を展開。イタリアの楽器Azzam Bellsも使用する。 北インド古典音楽と枯山水などの庭園に共通する精神性を現代的に再解釈し空間芸術として再構築している。 宮地楽器シタールクラス講師。
<ご来場の皆さまへのお願い>
KAAT神奈川芸術劇場では新型コロナウイルス感染拡大予防対策を徹底し主催公演を実施します。ご来場前に必ず、劇場HPの「ご来場のお客様へのお願い」 をご確認ください。
主催:KAAT神奈川芸術劇場 (公財)神奈川芸術文化財団(社会連携ポータル課)
制作協力:NPO法人LAND FES、認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
【STAFF】
音楽:武田直之 衣装:西川千明 舞台監督:岩谷ちなつ
舞台監督助手:服部寛隆 音響:伊藤琴音 撮影:磯村拓也 木村雅章 酒本凌(LAND FES) 制作:安藤誠 樫村千佳 松井真理子 管野良子(LAND FES) 協力:周慶錦 マルコス・フェルナンデス