KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『蛙昇天』
社会に生きる「個」のあり方を生々しく抉り出す、木下順二の不朽の名作が壮大なスケールで描かれる!
作:木下順二
演出:ウォーリー木下
- 会場 ホール
公演情報
社会に生きる「個」のあり方を生々しく抉り出す、木下順二の不朽の名作が壮大なスケールで描かれる!
米ソ冷戦激化の時期を背景に、当時の日本社会を揺るがせた実際の事件「徳田要請問題」をテーマに木下順二が書き下ろした『蛙昇天』。本作は、誠実に生きたいと願った青年が、苛烈な政治的対立の抗争の場に置かれ遂に自殺に追い込まれたこの事件を、寓意あふれる蛙の世界に写し取った傑作です。世間のありように揺さぶら
れる「個」という存在の脆さを生々しく抉り取り、人間の存在の意味をも私たちに問いかけてきます。
『蛙昇天』は、発表当時から大きな注目を集め、当時まだ高校生だった故・蜷川幸雄は、その初演を観劇したことがきっかけで演劇を志したと、後年語っています。
本作の演出を手掛けるのは、KAAT初登場のウォーリー木下。国内外で高い評価を受けた東京2020 パラリンピック開会式で見せた独創的かつ包容力ある演出は、異なる価値観や立場の違いをつなぎ、観る者に深い共感を呼び起こしました。
今回の舞台では、個人と社会のうねりがぶつかり合う中で生きることの意味を探求するこの傑作戯曲を、壮大なスケールで描きます!
僕がこの眼で見た、この耳で聞いた間違いのないただ一つの事実を ( 主人公:シュレの台詞 ) |
あらすじ
ここは、池の底に広がるカエルの世界。この水域に住むアオガエルは、よその池に住むアカガエルとの戦いに負け、多くの仲間を捕虜にされていた。
ある日、アオガエルの住む池に突然石が投げ込まれる事件が起こる。この石をめぐり、アオガエルは陰謀ではないかと騒ぎ始める。なぜなら、アオガエルの国では主力政党のデモフリ党と、敵国アカガエルと共闘するカプリ党が政権争いを繰り広げており、デモフリ党はこの事件を利用して、カプリ党を首謀者に仕立て上げ、自らの勢力拡大を図ろうと画策し始めたからである。
そんなさなか、捕虜の帰還運動が活発化する。捕虜でありながらアカガエルとの通訳を務めていたアオガエルのシュレも帰還の徒につく。しかし、その直前に彼が訳した発言がデモフリ党派の活動家一派によって喧伝されたことにより、大騒動が巻き起こる。その発言とは、カプリ党から「俘虜がアカガエルになるまでは帰してもらっては困ると要請してきた」というものだった。様々な憶測が飛び交い事態が混迷を極める中、シュレは発言の真意を説明するために証言台に立つ。政治的策略の巨大な渦に巻き込まれながらも、彼はたったひとり、真実を伝えようとするのだが――。
キャスト・スタッフ
【作】木下順二
【演出】ウォーリー木下
プロフィール
<作>
木下順二
1914年、東京に生まれる。東京帝国大学大学院修了。「彦市ばなし」「夕鶴」などの民話劇から出発し、「風浪」「山脈(やまなみ)」「オットーと呼ばれる日本人」「巨匠」といったリアリズムの本流に立つ戦後演劇のひとつの型を創り出した。『平家物語』を舞台にした「子午線の祀り」は新劇、歌舞伎、能、狂言などあらゆる分野の俳優が集まり創り上げた戦後演劇史上最大級の作品である。
<演出>
ウォーリー木下
戯曲家・演出家。93年、神戸大学在学中に劇団☆世界一団(現sunday)を結成。特に役者の身体性を重視した演出が特徴。テキストに関しても、戯曲以外のものを使用することが多い。映像や音楽を取り入れた言葉を発しない、ノンバーバルパフォーマンス集団 THE ORIGINAL TEMPOのプロデュースを行い、エジンバラ演劇祭にて5つ星を獲得。その後、スロベニアや韓国、ドイツなどと国際共同製作を行い、海外からも高い評価を得ている。ストリートシアターフェス ストレンジシード静岡など様々な演劇祭でフェスティバルディレクターを務めている。メディアアートとパフォーミングアーツの融合で注目を集め、従来の”演劇”という概念を超えた新しい挑戦をし続けている。
近年の代表作は、東京2020パラリンピック開会式(演出)、『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー」』シリーズ(演出・脚本)、『チャーリーとチョコレート工場』、『Mrs. GREEN APPLE 2023-2024 FC TOUR “The White Lounge”』(ミュージカル演出)、ミュージカル『町田くんの世界』(演出)。
第49回菊田一夫演劇賞受賞。
スケジュール
10月~11月上旬予定<ホール>















