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主催事業情報 2023/2/6 「カイハツ」プロジェクト 2021年度活動報告

カイハツロゴ画像

 

カイハツ(ロゴ画像)」とは?

KAAT神奈川芸術劇場が、長塚圭史が芸術監督に就任した2021年度より取り組んでいる、新たなプロジェクトです。劇場が常に考える場、豊かな発想を生み出す場となることを目指し、クリエーションのアイディアをカイハツしていきます。新たな表現の実験、ジャンルを横断したアーティストの交流、様々な情報の収集など、以下のようなカイハツ活動を軸にして、劇場の創造活動の核を育てていくことを目指します。

◆企画・アイディアカイハツ

アーティストがその構想を試み、新たな出会いを持つ場として、上演を最終目的としない自由かつ実験的なクリエーション活動を行うことができる機会と空間を設けます。アーティストにとってはアイディアの種を試し育てる機会となり、劇場にとっては、新しい才能と出会うきっかけとなります。

◆戯曲カイハツ

国内外の戯曲発掘および情報収集、海外戯曲の翻訳等をおこない、時にリーディング試演を交えながら、作品への理解・戯曲へのリテラシーを深め、豊かな発想の土壌を育んでいきます。

◆創作プロセスカイハツ

じっくり時間をかけて作品をクリエーションしていく新しい創造形態を模索します。戯曲・楽曲製作、ワークショップ、トライアウト公演などを実施。稽古場と上演会場を持つ劇場の強みを生かし、数年間かけて作品を熟成させる創作過程を充実させ、豊かな成果を生み出します。

 

これらの活動は、”公演”のように、すぐにお客様の目に触れる機会があるものではありませんが、劇場が、見えない場所でどのような活動を行っているのか、皆さんに知って頂けるよう、活動報告をしていきます。

 

 

2021年度 「カイハツ」レポート

◆企画・アイディアカイハツ

 

▶伊藤郁女によるワークショップ

伊藤郁女によるワークショップ画像

【テーマ】フランスを拠点に活動している伊藤郁女が、今後日本で(KAAT神奈川芸術劇場で)クリエーションをおこなっていくために、日本の若手ダンサーと出会い、作品つくりのアイディアを参加者と共に見つけていく場として計画されました。 

 

【開催日】2021年12月20日-22日

【会 場】アトリエ

【参加者】伊藤郁女(企画者・振付・演出)、長塚圭史

Aokid、青柳潤、岡本優、川合ロン、川村美紀子、辻田暁、引間文佳、藤村港平(以上、ダンサー)

石川朝日、坂本慶介、章平、平埜生成(以上、俳優))

【概 要】

さまざまな身体を使ったWSに続いて、参加者に事前に準備してもらったテキストを発表し、それを「読む・言う・動く」行為を参加者含めて演出する、というプロセスをおこないました。 伊藤郁女が、個々の個性を観察し、丁寧に会話をしながらフィードバックすることで、短い時間ながらも徐々に信頼関係が構築され、身体表現に落とし込まれていきました。

 

 

▶大池容子によるワークショップ

大池容子によるワークショップ画像

【テーマ】 鶴屋南北『東海道四⾕怪談』⼆幕⽬「髪梳き」の場⾯を「私たちの、⽇常の⾝体」で演じることは可能か。 

 

【開催日】2022年3月6日-10日

【会 場】アトリエ

【参加者】大池容子(企画者・演出)

阿岐之将一、湯川ひな、下総源太郎(俳優)

 

【概 要】

まず、台本を解説を加えながら声を出して読み、「表と裏」を描くための演劇的仕掛けが多数用いられている点に着目し、ト書きを俳優が声に出して演じるという方法で、また無作為に配置された物語と脈略のない現代的な小道具を使って、歌舞伎をなぞらず現代の身体で何ができるのか、俳優は、物語に埋没しないことを意識しながら、エチュードが繰り返しおこなわれました。最終日には、短いショーイングがおこなわれました。

 

 

▶田中麻衣子によるワークショップ

田中麻衣子によるワークショップ画像

【テーマ】 日本未上陸のミュージカルに取組み、その実験的な作品の上演の可能性、そして新たな演出や音楽の可能性を探ることを目的におこなわれました。 

 

【開催日】2022年3月24日-29日

【会 場】アトリエ

【参加者】田中麻衣子(企画者・演出)

永田景子(翻訳)

斎藤瑠希、ユーリック永扇、齋藤千夏、佐々木春香、谷村実紀、李千鶴(俳優)

関根真理(音楽・パーカッショニスト) 

 

【概 要】

翻訳台本(粗訳)の本読みにより、疑問に感じた言葉や本読みから分かる環境や文化の違いについて解釈を深め、続いてシーン・曲を選び、キャスト2名ずつ組んで、訳詞や楽器を用いての作りこみ、芝居部分のアプローチなどの作業をおこない、最終日にはショーイングがおこなわれました。演出をつけるのではなく参加者からアイディアを引き出すプロセスが中心となり、俳優たちも常に思考や感覚をフル回転させる様子が垣間見られました。

 

◆戯曲カイハツ

 

▶『七人みさき』オンライン・リーディング

【 作 】秋元松代 

【開催日】2022年3月31日         

【会 場】オンライン

 

【戯曲概要】

第25回芸術祭優秀賞受賞作品。測量技師・香納大助が、開発の仕事のため影村を訪れると、つじで七人の女たちが輪になって酒を飲んでいる。旧正月に女が死んだので「七人みさき」をのがれようとする習わしだった。彼女たちの夫はすべて出稼ぎ中。大助はその中の一人、壷野藤と親しくなるが、藤は影村の開発をことさらに遅らせ、静かな別荘地として売り出そうと考える大地主・光永の一族で、大助は藤のペースに巻き込まれてしまう・・・。

※「みさき」とは怨霊を意味する高知県の方言で「七人みさき」とは旧正月に女が死ぬと、同じ村の女七人が次々死ぬという伝説。

 

【概 要】

8人の俳優が参加しおこなわれました。オンラインでの実施でしたが、戯曲世界を重層的に体験することができ、また日本語の響きの美しさなど、黙読ではわからないことに多く気づくことができました。上演の可能性を含めて、戯曲をイメージすることができたのは大きな成果でした。


◆創作プロセスカイハツ

 

▶『ライカムで待っとく』オンラインヒアリング

【テーマ】2022年11月に上演した『ライカムで待っとく』(作:兼島拓也、演出:田中麻衣子)の台本構成、演出プラン構想のために、オンラインで様々な方たちに取材ヒアリングをおこないました。

 

【開催日】2021年9月7日-9日

【会 場】オンライン

【参加者】兼島拓也(劇作)、田中麻衣子(演出)

沖縄出身の俳優たち、関東出身の俳優たち、沖縄の演劇プロデューサー、神奈川県演劇関係者、国際政治学者、

沖縄の新聞記者の方たち

 

▶23年度 新作創作ワークショップ
【テーマ】2023年度に計画している新作公演 演出プラン構想のための創作ワークショップ   

【開催日】2021年9月11日   
【会 場】アトリエ   
【参加者】演出家、ピアノ奏者、4人の俳優

 

▶『掃除機』創作ワークショップ
【テーマ】2022年3月に上演予定の『掃除機』(作:岡田利規、演出:本谷有希子)の演出プラン構想のための創作ワークショップ


【開催日】2021年10月26日-27日   
【会 場】アトリエ   
【参加者】本谷有希子(演出)、10名の俳優、池宮城直美(舞台美術家)

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