グザヴィエ・ル・ロワ 「Self Unfinished(1998)」
- 日時 2011/6/25(土)
- 会場 大スタジオ
- 一般発売 2011/5/17(火)
Xavier le Roy 「Self Unfinished (1998)」
空っぽの舞台にシンプルなテーブルや椅子が置かれ、その間で見慣れない奇怪な形に歪んだ身体が不思議な動きを見せている。人は初めて見る動きのパターンでも、記憶の中からそこに保存された身体イメージを引き出し、その基準にあてはめて捉えようとするが、床に手をつき、奇妙な形に折り曲げた胴体は、どちらが体の上半分なのか下半分なのか、前進しているのか、後ずさっているのかもわからない。しかし脳の働きによって、いつしか手は足に、腕は脚に、頭が尻に置き換えられてゆく。「両腕」の間に頭が見えないが、この不完全な部分が補われ、完全な身体として見えてくる。
見慣れない、しかしどこかで見たことのあるようなユーモラスで不思議な身体風景だ。不気味な生き物のようにも、また抽象的なフォルムにも見える。これを見ているうちに、分子生物学者でもあるル・ロワが仕込んだ、見方の常識を覆すようなトリックのとりこになってしまったことに気づく。見てはいけない見世物を見ているような、好奇心とうしろめたさが同居するような奇妙な感覚が呼び覚まされる。これは何、というのが問題なのではなく、自分がそれをどのように見るか、という問題が見る者に突きつけられているのだ。
"Self Unfinished"に関連して、人間の身体とは未完の芸術品だ、とグザヴィエ・ル・ロワと述べているが、かつて大学で分子生物学を学んだという異色の振付家・パフォーマーのル・ロワは、自分の身体という生物学的な素材から予測もつかない組み合わせを引き出し、目に映る形象と人の知覚の関係性とその交換作用とを問い直している。
振付・出演/グザヴィエ・ル・ロワ
協力/ローラン・ゴールドリング
音楽/ダイアナ・ロス
制作/in-situ production,le kwatt
共同制作/ Substanz Cottbus、TIF ドレスデン州立劇場、ドイツ内務省舞台芸術基金
助成/タンツヴェルクシュタット・ベルリン、べルリン・ポーディヴル・アートセンター、ベルリン市政府学術・科学・芸術省
主催/読売新聞社、東京・横浜日仏学院、東京ドイツ文化センター
助成/フランス・ドイツ基金、笹川日仏財団、(財)アサヒビール芸術文化財団
協賛/プジョー、ANA、TV5MONDE、ダイワロイネットホテルズ
提携/神奈川芸術劇場(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)
振付・出演/グザヴィエ・ル・ロワ
協力/ローラン・ゴールドリング
音楽/ダイアナ・ロス
スケジュール
※開場は開演の30分前
チケット
チケット発売日 |
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一般:2011/5/17(火) |
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チケット料金 |
一般 3,000円
(学生・日仏会員・ドイツ文化センター会員2,500円)
※日仏学院、ドイツ文化センターで学生証・会員証・受講証をご提示のうえ、現金でお買い求めください。
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