杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻り
- 日時 2011/3/23(水)~2011/3/27(日)
- 会場 ホール
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KAme
先行 2010/10/10(日) - 一般発売 2010/10/17(日)
*地震の影響により全公演中止
誰も観たことのない文楽が、神奈川芸術劇場で実現!
曾根崎心中のオリジナルここに復活!!
現在上演されている『曾根崎心中』(現行曲)は、演出の都合上、原文の一部が割愛されています。『杉本文楽』では、現代美術作家・杉本博司が原文に忠実な『曾根崎心中』の舞台化をめざすために、初段に「観音廻り」を復活させるなど、独自の解釈を加え、構成・演出・美術・映像を手掛けます。
杉本博司のコンセプトに賛同した豊竹嶋大夫(切場語り)、鶴澤清治(人間国宝)、吉田簑助(人間国宝)が、近松の完全版ともいえる『杉本文楽 曾根崎心中』で誰も観たことのない「文楽」に挑みます。
また、桐竹勘十郎が復活する「観音廻り」の段で[一人遣い]に挑戦。江戸時代(元禄時代)の初演の時、人形は今の[三人遣い]と違って[一人遣い]でした。今回の上演では新たに「お初」の一人遣い人形を製作し、これに臨みます。なお、人形製作にあたっては、フランスを代表するメゾン、エルメスのご協力により、スカーフを用いたコンテンポラリーな衣裳が実現いたします。
前口上
杉本博司
我が国においてエロスの問題、つまり色恋沙汰は、詩的関心事ではあっても、長らく宗教的な関心事ではなかった。しかし恋を心中によって成就させることによって、二人の魂が浄土へと導かれるという革命的な解釈が、はじめて近松門左衛門によって披露されたのが、この人形浄瑠璃『曾根崎心中』である。
「恋を菩提の橋となし」と語られる第一段の「観音廻り」には、死に行くお初が、実は観音信仰に深く帰依していたことが伏線として語られる。初演当時、封建道徳に深く縛られていた恋する若い男女に、心中は爆発的に流行した。この世で遂げられぬ恋は、あの世で成就される、と思わせる力がこの浄瑠璃にはあった。江戸幕府は享保8年(1723)、「曾根崎心中」を上演禁止とし、心中による死者の葬儀も禁止した。葬儀禁止は成仏妨害策である。それから232年後の昭和30年になって、この浄瑠璃はようやく復活される。しかしその数百年の断絶のうちに、我々は近松時代の語りや人形の遣い方がどのようであったか、という記憶をほとんど失ってしまった。ただ残されているのは近松の浄瑠璃本と、人形遣い辰松八郎兵衛の出遣い図のみである。
私は今のこの世にあって、私の想像力を飛翔させ、古典の復活こそが最も現代的であるような演劇空間を試みてみたいと思った。そして行き詰まりつつある現代がそれを求めているような気がする。西洋におけるエロスの悲劇は、近松に先駆けてシェークスピアが「ロミオとジュリエット」で、近松に続いてゲーテが「若きウェルテルの悩み」として書き継がれている。エロスと死のテーマは洋の東西を問わず育まれ、今に至っている。
スタッフ・キャスト
構成・演出・美術・映像/杉本博司
作曲・演出/鶴澤清治
出演/豊竹嶋大夫、鶴澤清治、吉田簑助、桐竹勘十郎 ほか
振付/山村若
映像/岸本康
宣伝美術/下田理恵
宣伝美術画/山口晃
主催/公益財団法人 神奈川芸術文化財団、財団法人 小田原文化財団
企画制作/財団法人 小田原文化財団
協力/国立劇場、国立文楽劇場、文楽協会、エルメス
杉本文楽 特設サイトはこちら http://sugimoto-bunraku.com/
関連企画
(KAAT舞台芸術講座)「杉本文楽 曾根崎心中」 関連講座『浄瑠璃本をよむ ―「曾根崎心中 付り観音廻り」(黒部本)より―』
詳細はこちら http://www.kaat.jp/news/2011/02/bunrakukouza.html
・第79回舞台芸術講座 シリーズ・日本の伝統<4>「文楽」へようこそ! ※終了しました
構成・演出・美術・映像/杉本博司
作曲・演出/鶴澤清治
出演/豊竹嶋大夫、鶴澤清治、吉田簑助、桐竹勘十郎 ほか
振付/山村若
映像/岸本康
宣伝美術/下田理恵
宣伝美術画/
特別協力/福本潮子
上演台本監修/神津武男
スケジュール
3.24(木) 13:00/17:00
3.25(金) 14:00/19:00
3.26(土) 11:00/15:00
3.27(日) 11:00/15:00
チケット
チケット発売日 |
KAme先行(かながわメンバーズWEB先行販売): 2010/10/10(日) ~ かながわメンバーズ入会はこちら一般:2010/10/17(日) |
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チケット料金 |
S席¥5,700/A席¥4.200/B席¥3,000
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